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今はハイエースで日本中を旅していますが、実は車中泊を始める前に「船中泊」をしていました。手放して3年になる、10人乗りの『ポンコツ プレジャーボート』での話です。
普段の船中泊:係留港の岸壁で
ボートを所有していた8年間、週末になると係留している港へ通っていました。日中は釣りに出たり、近くの島までクルージングしたり。そして時々、そのまま船で一晩を過ごしました。
岸壁に横付けしたまま眠る。すぐそこに陸がある安心感がありながら、周りは海。これが私の船中泊の基本スタイルでした。
船首部分にはベッドがあり、大人でも足を伸ばして横になれます。車中泊と似ているようで、決定的に違うのは「揺れ」です。車はエンジンを止めれば動きませんが、船は係留していてもずっとゆらゆらと揺れています。
最初は、この揺れで眠れないだろうと思っていました。ところが慣れてしまうと、これがむしろ心地いい。揺りかごのように、いつの間にか眠っています。
夏の船中泊:海水浴場近くの漁港で

夏は家族で海水浴に出かけ、そのまま船中泊をすることもありました。
昼間は海水浴場の沖にアンカーを打って過ごします。デッキで昼寝をしたり、船から海に飛び込んだり。この昼間の過ごし方は、ハイエースのスマートキーを海に落とした話で詳しく書いています。
ただし、夜は話が別です。
沖でアンカーを打ったまま夜を越すのは、正直なところ怖くてできませんでした。天候が急変したら。アンカーが外れて流されたら。明かりのない夜の海では、万が一を考えると不安のほうが勝ちます。
だから夕方になると、海水浴場近くの漁港へ移動して岸壁に係留します。「無理はしない」。ボートを楽しむうえで、いつも自分に言い聞かせていたルールです。
船中泊の設備:意外と快適だった
船中泊と聞くと、不便そうなイメージがあるかもしれません。でも実際は、意外と快適でした。
まずトイレ。船に備え付けで、海水をポンプで汲み上げて流す仕組みです。陸のトイレに比べれば簡易的ですが、船内にトイレがあるだけで安心感がまるで違います。
そして夏の船中泊に欠かせなかったのが、エアコンです。家庭用の10畳用エアコンを船に取り付け、電源はポータブル発電機でまかなっていました。蒸し暑い夜でも、船首のベッドでぐっすり。揺れは相変わらずでも、温度さえ快適なら十分に休めます。
ひとつ注意を。発電機を使うなら、置き場所は必ず屋外にしてください。締め切った船内や車内で回すと、一酸化炭素中毒の危険があります。車中泊で使う方も同じです。
船中泊ならではの魅力

船中泊には、車中泊にはない魅力がありました。
ひとつは、眠る場所そのものです。港の岸壁は、陸でもなく、完全な海の上でもない、境目のような場所。すぐそばで波の音がして、潮の香りに包まれて眠る。これは船でなければ味わえません。
デッキでの食事も楽しみでした。テーブルと椅子を出して、海を眺めながらのBBQ。車中泊でも外で食事はできますが、見渡すかぎり海という開放感は別物です。
夜の港は静かです。聞こえるのは波の音と、ときどき帰ってくる船のエンジン音、遠くを通る貨物船の低い音くらい。街の雑音から、完全に切り離された夜でした。
そして朝。岸壁から見る朝日が海面に反射して、キラキラと光ります。デッキに出て、朝の空気を深く吸い込む。一日の始まりとして、これ以上の場所はなかなかありません。
今の車中泊につながっていること
船中泊を経験してから車中泊を始めて、まず思ったのは「陸はこんなに安心できるのか」ということでした。
船に乗っていた頃は、天候の急変や波の状態にいつも気を張っていました。今のドライブ旅では雪道を走ることもありますが、それでも船に比べればずっと安全です。何かあればすぐに停まれる。助けを呼べる。避難できる。この安心感は、海の上では決して得られないものでした。
実は、プレジャーボートで実際に流されたことがあります(この話は、また別の機会に詳しく書きます)。あの時の怖さを知っているからこそ、陸にいられるありがたさが身に染みます。
平らで揺れない床。雨風をしっかり防ぐ車体。そして何より、流されない(笑)。
それでも、船中泊でしか味わえないものも忘れられません。波の音。心地いい揺れ。潮の香り。キラキラ光る朝の海。
ハイエースで海沿いを走っていると、ふと船中泊をしていた頃を思い出します。陸を走りながら、心のどこかで海を懐かしんでいる自分がいます。
「あの頃は、海から景色を見ていたなぁ〜」と。
ではまた。
ボート編
- ① 車中泊の前は船中泊。プレジャーボートで過ごした夜の話(この記事)
- ② ハイエースのスマートキーを海に落とした話|ボートとの二刀流キャンプ
- ③ 子どもとボート釣りを楽しんだ8年間|妻がサメを釣った日
