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ボートを持っていた頃、いちばんよく出かけたのは釣りでした。
ただ、目的は釣果よりも、海に出ること自体だったかもしれません。沖に出たらエンジン全開で走り、止まりたくなった場所で竿を出す。流し釣りが基本で、何が釣れるかはその日の海次第でした。
それでも振り返ると、釣れた魚の種類はなかなかのものです。そして、その横にはいつも家族がいました。
2歳から乗せていた、子どもたちのこと

子どもたちをボートに乗せ始めたのは、2歳頃からです。
小さな頃から、舵を握らせると満足そうな顔をしていました。麦わら帽子をかぶって、真剣な顔でハンドルに手を添えている。本人は何をしているのかよくわかっていなかったと思いますが、それでも嬉しそうでした。
子どもを船に乗せるなら、ライフジャケットだけは妥協しないでください。小型船舶ではデッキにいる人の着用が義務になっていて、船の上で着るのは国の基準を満たした「桜マーク」付きのものです。子ども用のサイズもあります。
一方、砂浜や海水浴で遊ぶときは、動きやすくて着脱しやすい海水浴用のベストが便利です。子どもも嫌がりません。ただし、こちらは桜マークの付いていない海水浴用なので、船の上での着用義務を満たすものではありません。
海の日差しは、陸で思う以上に強烈です。麦わら帽子もいいですが、UVカット機能付きの帽子だとさらに安心です。

竿を持たせると、もっと張り切ります。ただ、リールだけはどうしてもうまく巻けない。糸がたるんでいくのを見て、泣きそうになっていました。そのくせイイダコが釣れた時は「ギャーギャー」と大騒ぎ。そのギャップがおかしくて、つい笑ってしまいました。

帰りのボートでは、毎回ぐっすり。一日、海で遊び尽くした証拠です。
ゴムボートで、砂浜へ

釣りだけでなく、砂浜に上陸することもありました。
ボートを沖に停めて、ゴムボートに乗り換えて砂浜へ。子どもたちはそれだけで大はしゃぎです。釣りをしない時間は、揺れる船の上で本を読んだりしながら、ただのんびり過ごしていました。

釣れた魚たち

流し釣りの面白さは、何が来るかわからないことです。
キスが続いたと思えば、急にアコウ(キジハタ)が来る。タイやイトヨリが混じる日もあれば、アラカブ(カサゴ)が入れ食いになる日もある。本ゴチ(マゴチ)やアジ、イイダコが顔を出すこともありました。

中でもアコウの存在感は別格です。あのオレンジの斑点模様が海面から上がってくるたびに、気分が一段上がりました。釣り好きならわかると思います。あの色が見えた瞬間の「来た!」という感覚が。


アジの日は数がまとまります。この写真はよく釣れた日の一枚ですが、これを全部捌くのはなかなかの大仕事でした。

釣れた魚は、ボートのいけすで生かしたまま持ち帰ります。いけすは底の穴で海とつながっていて、帰港まで魚を元気なまま保てる。プレジャーボートならではの装備です。
帰港したらクーラーボックスへ移します。釣果の多い日は、大容量タイプが重宝しました。
私が使っている→クーラーボックス(保冷力重視)
持ち帰った魚は、その日の晩ごはんに。海水浴キャンプとセットの日は、岸壁でそのまま焼きました。

同じスタイルの釣りを試してみたい方には、アジやカサゴを狙える仕掛けセットが便利です。一つあれば、五目釣りの入り口としては十分です。
妻が、サメを釣り上げた
一度だけ、ちょっと変わったものが釣れました。
妻の竿がぐっと曲がって、上がってきたのはサメの子どもでした。本人は笑っていました。怖がるでもなく、ただ笑っていた。もちろんリリースです。動画が残っていますが、あの笑顔は今でも忘れられません。
何が来るかわからない流し釣りとはいえ、さすがにサメは想定外でした。
海の上の昼ごはん
昼はおにぎりを持参していました。汁物は揺れるので不向きです。でも、海の上で食べるおにぎりは、なぜかうまい。理由はよくわかりませんが、毎回そう思っていました。

燃料の軽油代は、1回の出航で1万円ほど。係留費などの維持費は別として、出かけるたびの出費は、あとはおにぎり代くらいのものです。遊びとしては、なかなかコスパがよかったと思います。
釣りという名の、家族の時間

振り返ると、釣りに行っていたというより、家族と海の上で時間を過ごしていた。そんな感覚のほうが近い気がします。
子どもたちがリールを巻けなくて泣きそうだった頃。妻がサメを釣って笑っていた頃。バケツいっぱいのアジを前に、今夜は豪勢だと思っていた頃。そのどれもが、あの海の上にあります。
子どもたちも大きくなり、イイダコでギャーギャー騒ぐ姿はもう見られないかもしれません。それでも、海に出たいという気持ちは今も変わっていません。
次回は、我が家の「ポンコツプレジャーボート」そのものの話を書こうと思います。
ではまた。
ボート編
- ① 車中泊の前は船中泊。プレジャーボートで過ごした夜の話
- ② ハイエースのスマートキーを海に落とした話|ボートとの二刀流キャンプ
- ③ 子どもとボート釣りを楽しんだ8年間|妻がサメを釣った日(この記事)
