【四国お遍路・徳島】恩山寺から太龍寺ロープウェイまで|第18番〜21番札所の回り方と見どころ

朝9時21分、第18番恩山寺。夕方16時33分、太龍寺ロープウェイを下りた道の駅鷲の里。

阿波の国の後半は、恩山寺から始まりました。立江寺を打ってから山の上の鶴林寺へ上り、最後はロープウェイで太龍寺へ。山の札所が2つ続く1日です。

この記事も、写真に残った撮影時刻でたどります。前の日に越えた焼山寺に続いて、「遍路ころがし」の残り2つが待っている区間です。

はじめに:「一に焼山、二にお鶴、三に太龍」

徳島の遍路道には「一に焼山、二にお鶴、三に太龍」という言葉があります。12番焼山寺、20番鶴林寺(お鶴)、21番太龍寺の3つが、歩き遍路の難所「遍路ころがし」です。焼山寺は前の日の朝に上ったので、この日で残りの2つを越えることになります。実際の時刻は次のとおりでした。

写真の時刻札所ひとこと
9:21第18番 恩山寺大師の母が髪を納めた寺
10:09第19番 立江寺四国の総関所
13:24第20番 鶴林寺二にお鶴、山上の三重塔
14:59〜15:13第21番 太龍寺三に太龍、ロープウェイで
16:33道の駅 鷲の里ロープウェイで下りてこの夜の宿に

山の札所が2つ続くので、この日は4ヶ寺で終わり。立江寺と鶴林寺のあいだの3時間余りは、道の駅なかがわと、鶴林寺のふもとの道の駅ひなの里かつうらに寄りながら、昼どきをはさんだ時間帯です。

各札所の写真のうち「御朱印」と添えたものは納経帳にいただいた御朱印、「御影(おみえ)」と添えたものは御朱印と一緒にいただく、本尊の姿を刷ったお札です。

所要時間: 1日(9:21〜16:33)
情報確認: 2026年9月(拝観料・駐車場・ロープウェイ運賃などは変わることがあります)

前の晩は道の駅温泉の里神山で車中泊。神山から恩山寺までは徳島市内を抜けて約45km、1時間余りの道のりです。


9:21 第18番札所 恩山寺(おんざんじ)

神山を出て、小松島の山すそへ。山号は「母養山(ぼようざん)」。弘法大師と、その母の話が残る寺です。

第18番札所 恩山寺(9:21撮影)
第18番札所 恩山寺の御朱印
御朱印
第17番・第18番札所の御影
御影(おみえ)第17番・第18番

母を迎えるために、女人禁制を解いた寺

この寺がまだ女人禁制だったころ、讃岐の善通寺から大師の母・玉依御前(たまよりごぜん)が訪ねてきました。大師は山門近くの滝に打たれて7日間の修法を行い、女人解禁の願いをかなえて母を迎え入れたと伝わります。母はここで剃髪し、その髪を納めました。境内には玉依御前の剃髪所が残っています。

山門のそばに立つのは、大師がお手植えしたと伝わる「びらんじゅ」の木。徳島県の天然記念物です。

基本情報

  • 山号: 母養山
  • 宗派: 高野山真言宗
  • 本尊: 薬師如来
  • 真言: おん ころころ せんだり まとうぎ そわか
  • 御詠歌: 子を生める その父母の 恩山寺 訪らひがたき ことはあらじな
  • 所在地: 徳島県小松島市田野町字恩山寺谷40
  • 電話: 0885-33-1218
  • 宿坊: なし

アクセス・駐車場

  • 駐車場: 無料(普通車20台、マイクロバス5台、大型4台・7時〜17時)
  • 前札所から: 17番井戸寺から約19km
  • 次札所まで: 19番立江寺まで約4km、クルマで約10分

10:09 第19番札所 立江寺(たつえじ)

恩山寺から4kmほど。ここは「四国の総関所」と呼ばれる関所寺です。

第19番札所 立江寺(10:09撮影)
第19番札所 立江寺の御朱印
御朱印

見上げると286枚の天井画

昭和52年に再建された本堂の格天井には、286枚の天井画がはめ込まれています。本尊は弘法大師が彫ったと伝わる延命地蔵菩薩で、像の高さは1.9mもあります。

「関所寺」と呼ばれるのは、心に邪(よこしま)なものを抱えた人は、ここから先へ進めないと言われてきたからです。境内の黒髪堂には、罪を犯したお京という女性がここで懺悔すると、髪が鐘の緒に巻き付いて離れなくなったという話が伝わっています。

基本情報

  • 山号: 橋池山
  • 宗派: 高野山真言宗
  • 本尊: 延命地蔵菩薩
  • 真言: おん かかかび さんまえい そわか
  • 御詠歌: いつかさて 西のすまいの わが立江 弘誓の舟に 乗りていたらむ
  • 所在地: 徳島県小松島市立江町字若松13
  • 電話: 0885-37-1019
  • 宿坊: あり(200人)
  • 公式ホームページ: http://www.tatsueji.com/

アクセス・駐車場

  • 駐車場: 普通車30台(300円)、マイクロバス・大型(各1,000円)
  • 前札所から: 18番恩山寺から約4km、クルマで約10分
  • 次札所まで: 20番鶴林寺まで、クルマで約30分
  • 近隣道の駅: 公方の郷なかがわ(阿南市)

13:24 第20番札所 鶴林寺(かくりんじ)

「二にお鶴」。標高470mの山の上の札所です。ふもとの道の駅ひなの里かつうらは、鶴林寺への参拝道の出発点。そこから一気に山を上ります。

第20番札所 鶴林寺(13:24撮影)
第20番札所 鶴林寺の御朱印
御朱印
第19番・第20番札所の御影
御影(おみえ)第19番・第20番

クルマにとっても「遍路ころがし」

クルマで上る道も、狭く急な坂が続き、すれ違える場所は多くありません。駐車場は境内から少し離れていて、最後は歩いて山門へ向かいます。

2羽の白い鶴と、山の上の三重塔

寺の名前は、弘法大師がこの山で修行していたとき、雌雄2羽の白い鶴が杉の梢に舞い降り、小さな黄金の地蔵を守っていたという伝説から。境内では、大きな鶴の像がお遍路さんを迎えてくれます。

境内には、江戸時代の文化・文政年間(1817〜1827年)に建てられた三重塔(徳島県指定文化財)。晴れた日には、遠く紀州や淡路の山々、太平洋まで見渡せます。山の上にこれだけの伽藍がそろっていることに、上ってきた人はまず驚きます。

基本情報

  • 山号: 霊鷲山
  • 宗派: 高野山真言宗
  • 本尊: 地蔵菩薩
  • 真言: おん かかかび さんまえい そわか
  • 御詠歌: しげりつる 鶴の林を しるべにて 大師ぞいます 地蔵帝釈
  • 所在地: 徳島県勝浦郡勝浦町生名鷲ヶ尾14
  • 電話: 0885-42-3020
  • 宿坊: なし

アクセス・駐車場

  • 駐車場: 志納制。駐車場から境内までは少し歩きます
    山道は狭く急な坂が続き、すれ違いの難しい所があります
  • 前札所から: 19番立江寺からクルマで約30分
  • 次札所まで: 21番太龍寺へは、山を下りて那賀川沿いの道の駅鷲の里へ。そこからロープウェイ
  • 近隣道の駅: ひなの里かつうら(鶴林寺への参拝道の出発点)

14:59 第21番札所 太龍寺(たいりゅうじ)

「三に太龍」。こちらはクルマを道の駅鷲の里に置いて、ロープウェイで上りました。14時59分、ゴンドラの中から1枚目の写真が始まります。

太龍寺ロープウェイのゴンドラ内(14:59撮影)
ロープウェイ内(鷲の里駅)
ロープウェイから(15:03撮影)

西日本最長のロープウェイで山を越える

太龍寺ロープウェイは全長約2.8km、西日本でいちばん長いロープウェイです。101人乗りのゴンドラが20分おきに出ていて、那賀川を渡り、山をいくつか越えて、10分ほどで山頂駅に着きます。眼下には那賀川と田園、遠くには紀伊水道まで見えます。

途中、進行方向の岩山の上に、弘法大師の像が見えてきます。大師が19歳のとき、100日間の「虚空蔵求聞持法(こくうぞうぐもんじほう)」を修めたと伝わる「舎心嶽(しゃしんがたけ)」です。

ロープウェイから見た舎心嶽の弘法大師像(15:09撮影)
舎心嶽|岩の上にブロンズ製の「求聞持修行大師像」が東向きに坐る。ロープウェイから望む
第21番札所 太龍寺(15:13撮影)
第21番札所 太龍寺の御朱印
御朱印

「西の高野」と天井の龍

太龍寺は標高618mの太龍寺山の山頂近くにあり、「西の高野」と呼ばれる山の寺です。納経所の隣の持仏堂の天井には、高知出身の日本画家・竹村松嶺が描いた大きな龍がいて、真下から見上げると迫力があります。記念撮影をしていく人の多い場所です。

帰りもロープウェイで下り、16時33分には道の駅鷲の里に戻っていました。上りの最終便は16時40分なので、太龍寺はこの日の最後にちょうど間に合う時間でした。

道の駅鷲の里(太龍寺ロープウェイ山麓駅)のトリックアート(16:33撮影)
道の駅「鷲の里」(太龍寺ロープウェイ)のトリックアート

基本情報

  • 山号: 舎心山
  • 宗派: 高野山真言宗
  • 本尊: 虚空蔵菩薩
  • 真言: のうぼう あきゃしゃ きゃらばや おん ありきゃ まりぼり そわか
  • 御詠歌: 太龍の 常にすむぞや げに岩屋 舎心聞持は 守護のためなり
  • 所在地: 徳島県阿南市加茂町龍山2
  • 電話: 0884-62-2021
  • 宿坊: なし

アクセス・駐車場

  • 駐車場: 太龍寺ロープウェイ駐車場(道の駅鷲の里)。普通車150台、マイクロバス・大型各10台、終日無料
  • ロープウェイ: 往復2,600円(小学生1,300円)。20分間隔、8時〜17時(上り最終16時40分)
    上りの最終便は16時40分。納経所の17時と合わせて逆算を
  • 次札所まで: 22番平等寺まで、道の駅鷲の里からクルマで約30分
  • 近隣道の駅: 鷲の里(この夜の車中泊地)・わじき(同じ那賀町和食)

まとめ:今もう一度回るなら

9時21分から16時33分まで、4ヶ寺。数は少なくても、山の札所を2つ越えた1日でした。時刻を並べ直すと、この区間ならではのコツも見えてきます。

1. 太龍寺はロープウェイの最終便から逆算する

ロープウェイは20分おき、上りの最終は16時40分です。この日は14時台に乗れたので余裕がありましたが、鶴林寺で時間を使うと、太龍寺が翌日に回ることもあります。鶴林寺を出る時刻を、ロープウェイの時刻表と合わせて決めておくと安心です。

2. 鶴林寺は午前中に上っておく手もある

立江寺を10時過ぎに出て、鶴林寺は13時24分。そのあいだに道の駅2つと昼どきをはさんでいます。山の札所を先に済ませ、ふもとの道の駅ひなの里かつうらで昼にする順番にすれば、午後の太龍寺にもっと余裕が出ます。

3. 鷲の里に泊まって、翌朝いちばんに平等寺

ロープウェイの山麓駅でもある道の駅鷲の里は、駐車場が24時間使えて、太龍寺から下りてそのまま休めます。翌朝は22番平等寺まで30分ほど。朝いちばんに動き出せば、その日のうちに県境を越えて室戸岬まで進めます。

4. 「遍路ころがし」はクルマでも山道

焼山寺、鶴林寺、太龍寺。3つのうち2つはクルマで上り、太龍寺はロープウェイにしました。鶴林寺の坂は、クルマにとってもきつい上りです。山道に自信がなければ、太龍寺と同じように、無理にクルマで上らない選び方もあります。

車中泊は道の駅「鷲の里」

那賀川のほとりにあり、普通車150台の駐車場は24時間利用できます。ロープウェイ駅と物産センターがあり、すぐ近くには道の駅わじきもあります。

この日寄った道の駅

  • 公方の郷なかがわ: 阿南市那賀川町。立江寺から鶴林寺へ向かう前に
  • ひなの里かつうら: 鶴林寺のふもと。勝浦町特産のみかんを使った商品が並び、2月下旬から3月下旬には「ビッグひな祭り」の会場になります
  • 鷲の里・わじき: どちらも那賀町和食。太龍寺ロープウェイのふもと

県南の味

  • 勝浦のみかん: 道の駅ひなの里かつうらに、みかんを使ったオリジナル商品があります

次回は鷲の里を出て、22番平等寺と23番薬王寺で阿波を打ち終え、県境を越えて室戸岬へ。1日で阿波から土佐へ入ります。ではまた。


札所マップ

Googleマップで第18番恩山寺から第21番太龍寺までのルートを見る


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