乙部の地名は、アイヌ語の「オトウンペ(川尻に沼があるもの)」または「オトペ」に由来するとされ、その川はいまの姫川です。町の中心から国道229号を北へ約6km、日本海に突き出した高台に建つ道の駅です。
展望台は海抜40m。日本海を正面に見下ろし、晴れて波の穏やかな日には沖に奥尻島が浮かびます。展望台のモニュメント「潮笛」は、1795年に満州まで流され、2年後に故郷へ戻った乙部の漁師3人の話にちなんだものです。
基本情報
| 所在地 | 北海道爾志郡乙部町字元和169 |
|---|---|
| 標高 | 約32m |
| 面する道路 | 国道229号 |
| 営業時間 | 4〜10月 8:30〜18:00/11〜3月 9:00〜16:00 |
| 定休日 | 年末年始(12/30〜1/3) |
| 駐車場 | 普通車40台・大型9台 |
| RVパーク | 併設なし |
| EV充電 | なし |
| 温泉 | 併設なし/最寄り:ゆりの里活性化センター(鳥山温泉・約3.1km・火木土日のみ)、おとべ温泉いこいの湯(約6.7km) |
| 電話 | 0139-62-3009 |
| 公式サイト | 北の道の駅(公式) |
アクセスと立地
江差から国道229号を北へ約21km、車で20分ほどです。乙部の市街を抜けた先の元和地区にあり、1995年に登録されました。この高台は、かつて「突符岬」と呼ばれていた場所です。
2021年6月の岩盤崩落で、国道229号は乙部町館浦〜鳥山間の1.8kmが通行止めになっています。江差や乙部市街との行き来は内陸の迂回路を通るため、古い地図のルートでは走れません。岬を抜ける新しいトンネル3本の工事が、2024年から進んでいます。
元和台海浜公園の海のプール
道の駅から約500m下った海岸の元和台海浜公園は、防波堤とカラーブロックで日本海を囲った「海のプール」です。外海の水が入れ替わるので透明度が高く、環境省の快水浴場百選に道内でただひとつ選ばれています。
開くのは夏の約1か月で、2026年は7月25日〜8月23日の9:00〜16:30でした。清掃協力金は小学生以上100円。土日祝とお盆にはウニ・ツブ・ホタテが放され、手でつかんだ分は持ち帰れます。更衣室やバリアフリートイレ、らせん状のスロープ「るーぷ橋」もあり、そばの「レストラン元和台」は11:00〜15:00(月曜定休、12〜3月は休館)です。
直売所・グルメ
売店の名物は、乙部特産のゆり根を白あんに練り込んだ「ゆり最中」(940円)です。アカシアの花から採った「おとべのはちみつ」や黒豆、海苔・昆布・塩辛などの海産加工品のほか、ソフトクリームもあります。
道の駅にはレストランも軽食コーナーもなく、売店も小ぶりです。食事は、夏ならレストラン元和台、それ以外の季節は乙部の市街で済ませておきましょう。
車中泊メモ
高台で遮るものがないため風の強い日が多く、冬のトイレには暖房がありません。泊まるクルマは少なく、夜は静かです。トイレは個室ごとに洗面台がある造りです。
乙部の市街までは迂回路経由で約6km。ローソン乙部館浦店(24時間)、セイコーマート乙部店(6:00〜23:00)、セブン-イレブン乙部町店があり、ENEOSのスタンドもあります。町内にスーパーはないので、まとめ買いは約21km先のラルズマート江差店になります。
周辺スポット
北へ約4kmの鮪の岬(しびのみさき)では、長さ8〜12mの安山岩の柱がほぼ垂直に海へ落ちる柱状節理が見られ、1972年に北海道の天然記念物に指定されました。岬の公園は桜の名所でもあります。
南の館浦にある館の岬は、黒い砂岩層と白い凝灰岩層が交互に重なって隆起した地層で、「東洋のグランドキャニオン」と呼ばれます。通行止め区間に近いので、行く前に道の状況を確かめてください。さらに江差寄りの滝瀬には、高さ約20m・長さ約500mの白い崖「シラフラ」が続きます。約500万年前の軽石が積もってできた崖で、展望公園の駐車場は10台ほどです。
山側では、樹齢500年以上と推定されるカツラ2本が枝でつながった「縁桂」が、森の巨人たち百選に選ばれています。駐車場から歩いて20分ほどで、冬は道が閉ざされます。
最寄りの温泉
いちばん近いのは、約3.1km(車で約3分)の「ゆりの里活性化センター(鳥山温泉)」です。泉質はナトリウム-硫酸塩・塩化物泉で、源泉かけ流し。大人300円と安い代わりに、開くのは火・木・土・日曜の13時から(5〜11月は20時、12〜4月は19時まで)だけで、シャンプーや石けんは置いていません。
ほかの曜日は、迂回路経由で約6.7km(車で約8分)の「おとべ温泉いこいの湯」へ。泉質は同じナトリウム-硫酸塩・塩化物泉で、74.5℃の源泉を使い、露天風呂とサウナ、水風呂があります。大人400円、11:00〜21:00(受付20:30まで)、月曜定休。その月曜は、同じ敷地の光林荘が12時から17時まで日帰り入浴を受け付けています。
まとめ
夕方に展望台へ上がって日本海に日が落ちるのを待ち、鳥山の湯で温まる。売店は小さくても、乙部で一晩過ごすのに要るものは近くにそろっています。