四国お遍路旅行記 番外編 – 帰り道の天心山 神勝寺で坐禅と洸庭(広島県福山市)

朝9時13分、天心山 神勝寺の門。14時30分、舟の形をした木の建物「洸庭(こうてい)」の前。

四国お遍路を27番神峯寺でいったん区切りにした翌日、愛媛の石鎚山ハイウェイオアシスを出て、しまなみ海道で本州へ。その帰り道に寄ったのが、広島県福山市の禅寺、神勝寺です。受付で坐禅を申し込んで組み、お昼は神勝寺うどん、最後は洸庭の中の作品を見て、5時間あまりを過ごしました。

この記事も、写真に残った撮影時刻でたどります。

はじめに:お遍路の帰り道に、禅寺で1日

神勝寺は、臨済宗建仁寺派の禅寺です。地元の造船会社の創業者・神原秀夫氏が、海難事故の犠牲者の供養の場として1965年に建てました。今は「神勝寺 禅と庭のミュージアム」として、境内の建物や庭、禅の体験が公開されています。写真の時刻は次のとおりでした。

写真の時刻場所ひとこと
9:13門1日のはじまり
(写真なし)坐禅・神勝寺うどん坐禅を組み、お昼はうどん
14:30洸庭舟の形をしたアートパビリオン

お遍路の日は、1つの札所に長くても1時間ほど。この日は1つのお寺に5時間あまりいたことになります。

所要時間: 約5時間(9:13〜14:30)
情報確認: 2026年9月(拝観料・体験料・時間などは変わることがあります)


9:13 門から、本堂と枯山水の庭へ

神勝寺の山門と「天心山神勝寺」の石碑。奥には藤森照信さん設計の松堂の屋根も見える。

受付は、門を抜けて左側にあります。建築家・藤森照信さんが設計した「松堂」。手曲げの銅板で葺いた岩山のような屋根の上に、赤松が植わっている建物です。

神勝寺の本堂内部。畳敷きの広間の奥に須弥壇と本尊が祀られ、朱塗りの階段や柱が並ぶ。

本堂の前には、作庭家・中根金作さんによる3つの枯山水の庭があります。「無明の庭」「阿弥陀三尊の庭」「羅漢の庭」。白い砂と石だけで組まれた、禅寺らしい庭です。

白砂に松と石を配した枯山水の庭と、奥に佇む木造の門、周囲を囲む緑の木々。
石灯籠と刈り込まれた植木が並ぶ枯山水庭園、奥に寺院の建物が見える風景

坐禅を組む

坐禅は、当日に受付で申し込みました。坐禅のあいだの写真はありません。

神勝寺の坐禅でいちばん大事にされているのは呼吸で、呼吸を整えることで心と体を整える、という考え方です。4日間クルマで札所を回ってきたあとに、じっと座る時間でした。

坐禅のあいだに、警策(けいさく)で何度か喝を入れてもらいました。バシッとすごい音がしますが、思っていたほど痛くはありませんでした。


お昼は「神勝寺うどん」

お昼は神勝寺うどん。禅寺では食事も修行のひとつとされ、修行僧が使う器と箸で、作法どおりにいただきました。食前に「五観の偈(ごかんのげ)」を唱えるのも、その作法のひとつです。

箸の置き方から、出されたものを残さずいただく作法を教えていただき、食事の基本をひとつずつ教えてもらった感じでした。食事のありがたさを感じることができ、食に対する考え方が少し変わる体験でした。

うどんをいただいた五観堂をはじめ、境内の飲食施設(五観堂・含空院・喫茶去)は2026年8月31日で営業を終了しています。今は神勝寺うどんを食べることはできません。


14:30 舟の形をした「洸庭」

最後は洸庭へ。彫刻家の名和晃平さんと、クリエイティブ・プラットフォーム「Sandwich」によるアートパビリオンです。さわら材で覆われた舟の形の建物が、石を敷いた庭の上に浮かぶように建っています。

中にはインスタレーション作品があり、何人かで一緒に、時間を区切って入って鑑賞します。中は真っ暗で、目が慣れてくると、奥に海のような水面が広がって見えてきました。光がゆらぐ水面を見ていると、宇宙から何かが生まれてくるところを見ているような感じでした。

体験記には「暗い空間が苦手な人には合わないかもしれない」という声もあります。14時30分の写真は、その洸庭の前で撮った1枚です。

さわら材で覆われた舟形の建物「洸庭」が、石を敷いた庭の上に柱で浮かぶように建ち、人が下に立っている。

ほかの見どころ

  • 荘厳堂: 江戸時代の禅僧・白隠の禅画を約200点所蔵し、展示を入れ替えながら公開しています
  • 営業を終えた施設: 浴室・茶室「秀路軒」は営業を終了しています

基本情報

  • 山号: 天心山
  • 宗派: 臨済宗建仁寺派
  • 所在地: 広島県福山市沼隈町大字上山南91
  • 電話: 084-988-1111(寺務所)
  • 拝観時間: 9時〜17時(最終受付16時30分)。不定休
  • 拝観料: 大人1,500円、学生(高校生以上)1,000円、小中学生500円
  • 洸庭の鑑賞時間: 10:10〜10:40から16:10〜16:40まで、毎時10分から30分ずつの1日7回
  • 坐禅: お問い合わせフォームから予約
  • 公式ホームページ: https://szmg.jp/

まとめ:今もう一度行くなら

1. 坐禅はお問い合わせフォームから予約

この日は受付で坐禅を申し込めましたが、今は公式ホームページのお問い合わせフォームから予約する形になっています。坐禅・写経・食事をひと通り体験できた「日帰り禅体験」も2026年8月31日で終了するなど、体験の内容は変わってきています。坐禅をしたいなら、行く日が決まった時点でフォームから予約しておきましょう。

2. 半日はみておく。昼食は境内の外で

境内をひと回りするだけでも2時間ほど。坐禅や洸庭まで入れると、半日はかかります。境内の飲食施設は営業を終えているので、昼をはさむなら、食事は来る前か帰り道に済ませる計画にしておくと困りません。

3. 洸庭は時間を区切って入る

洸庭の中の作品は、決まった時間に入って鑑賞します。鑑賞時間は10時10分から16時10分まで、毎時10分に始まる30分ずつの1日7回です。最終回は16時10分なので、午後遅くに着くと見られないこともあります。着いたら先に入る回を決めておくと、ほかの見学と組み合わせやすくなります。

これで6月の旅はおしまいです。お遍路は8月、2か月ぶりに28番大日寺から再開しました。

ではまた。


この前日の記事: 【四国お遍路・徳島〜高知】平等寺から室戸岬、神峯寺まで|第22番〜27番札所の回り方と見どころ

お遍路の続き: 【四国お遍路・高知】クルマで1日8ヶ寺|第28番〜35番札所の回り方と見どころ

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