はじめに
自宅から250km離れた瀬戸内海の島に、約100坪の畑があります。
10年間位放置されていたこの土地を、「自然農法的な考え方」で蘇らせることはできるのか。そして、1〜2か月に1回、1週間程度の滞在という制約の中で、野菜を育て続けることは可能なのか。
このブログは、その挑戦の記録です。
なぜ、このプロジェクトを始めたのか
現在、私たち夫婦は本州に住んでいます。そこから250km離れた瀬戸内海の島に、義理の実家があります。その敷地内に、かつて畑として使われていた約100坪の土地が眠っていました。
4年前に義父が亡くなってから、この畑は誰も手を付けることなく放置されてきました。草が生い茂り、ツタ系の植物が根を張り巡らせ、一見すると「荒れ地」でした。
しかし、この土地には可能性があると感じました。
- 瀬戸内海の温暖な気候
- ほぼ一日中、日が当たる日当たりの良さ
- 水はけの良い土質
- 井戸もある
そして何より、この土地で野菜を育てることができれば、私たち夫婦の食卓が豊かになります。同時に、放置された土地が再び息を吹き返します。
さらに、もう一つ重要な理由があります。
空き家の管理問題です。
全国的に、放置された空き家が社会問題となっています。適切に管理されない家は荒れ、近隣住民の迷惑になり、最悪の場合は行政から問題視されます。
遠く離れた場所に義理の実家がありますが、定期的に訪れる理由がなければ、家はどんどん荒れていきます。しかし、畑を始めれば、必然的に1〜2か月に1回は訪れることになります。野菜の世話をしながら、家の管理もできます。
畑と家の管理、一石二鳥です。
ただし、私たちには農業経験が全くありません。完全な初心者です。
そして、もう一つ大きな制約があります。
自宅と畑は遠く離れているのです。
頻繁に通うことはできません。
そこで考えました。
「もし、自然の力を最大限に活かす農法なら、この制約を逆に強みに変えられるのではないか?」
自然農法は、耕さず、肥料や農薬を使わず、草や虫を敵としません。人の手を最小限にして、自然のリズムに任せます。1〜2か月留守にしても大丈夫な畑にこそ、向いているのではないでしょうか。
そう考えて、この検証プロジェクトを始めることにしました。
畑の現状(2026年2月2日時点)
基本情報
場所: 瀬戸内海の島
広さ: 約100坪(実測はこれから)
標高: 平地(周囲は山に囲まれています)
日当たり:
- 半分のエリア:ほぼ一日中日が当たります
- 半分のエリア:昼から日が当たります
水源: 井戸あり(ポンプは故障中、要交換)
宿泊施設: 畑のすぐ横に義理の実家(現在、床の改修工事中)
周辺環境:
- 山側(上):石垣の上に隣家の敷地
- 下側:宿泊施設(家)
- イノシシの生息あり
土の状態
- 色: 茶色
- 感触: 通常の畑という感じ
- 問題: ツタ?系(地下茎)植物の根が蔓延しています
: バラが各所に植えられて、トゲに悩まされています - 過去の利用: 10年前まで畑として使用
- 水はけ: 良好(雨後も水溜まりなし)
土の詳しい状態を把握するため、今後は土壌測定器を使ってpH値や栄養状態を測定する予定です。自然農法への移行を考える上で、まずは現在の土の状態を数値で知ることが重要だと考えています。
現在の作業状況
2025年10月、まず最初に草刈りと邪魔な木の伐採を行いました。電動草刈り機を使い、地表の草を一掃しました。刈り取った後の畑は、地下茎が地面を覆っていますが、土地の輪郭が見えてきました。
目指すもの:「折衷案」という現実的選択
完全な自然農法(不耕起・無肥料・無農薬)は理想ですが、初年度からそれを目指すのは現実的ではないと判断しました。
そこで、段階的に自然農法へ近づいていく「折衷案」で進めます。
レベル1:無農薬有機栽培(初年度)
- ✅ 化学農薬は使いません
- ✅ 肥料は有機肥料のみ(堆肥など)
- ✅ 耕起はします(初年度のみ)
- ✅ マルチは使わず、草マルチを試します
レベル2:準自然農法(2〜3年目)
- 不耕起を基本とします
- 初年度のみ堆肥投入、以降は無施肥
- 草マルチの本格活用
レベル3:完全自然農法(長期目標)
- 一切の資材を使いません
- 自家採種
- 草・虫との完全共生
このプロジェクトは、レベル1から始めて、土と対話しながら、徐々にレベルアップしていく過程を記録します。
初年度(2026年)の計画
栽培面積
100坪全てをいきなり始めるのは無謀です。まずは小さく始めます。
Phase 1(春〜夏):
- 家のすぐ上の中段畑:約6坪
- 上段の一部:約20坪
- 合計:約26坪からスタート
育てたい野菜
優先順位の高い野菜:
- 葉物野菜: ホウレンソウ、小松菜、レタス類
- 保存がきく野菜: ジャガイモ、サツマイモ、タマネギ、カボチャ
遠隔地ゆえに、保存性の高い野菜を中心に据えます。
課題
- 地下茎の処理: どう対処するか
- 井戸ポンプの修理: 水の確保
- イノシシ対策: 獣害をどう防ぐか
- 遠隔地管理: 留守中の畑をどう保つか
今後のスケジュール
2月中旬〜下旬:
- 家の改修工事完了待ち
- 畑の実測(正確な面積を測る)
- 区画設計
- 土づくりの準備(石灰、堆肥の手配)
3月:
- ジャガイモの植え付け
- 春野菜の種まき
4月以降:
- 夏野菜の苗植え
- 本格的な栽培スタート
このブログで伝えたいこと
このブログは、完全なドキュメンタリーとして記録します。
成功も失敗も、すべて包み隠さず公開します。失敗から学ぶことの方が多いはずです。
このブログでは、畑での野菜づくりだけでなく、ハイエースで巡る瀬戸内海沿いの旅スポットや道の駅、温泉、神社仏閣。移動そのものも旅として楽しみます。畑通いは、ドライブ旅でもあるのです。
- 遠隔地での農業は本当に可能なのか?
- 農業初心者でも野菜は育てられるのか?
- 自然農法的なアプローチは現実的なのか?
- 空き家管理と農業は両立できるのか?
これらの疑問に、実践を通じて答えを出していきたいと思います。
同じような境遇の人、遠隔地に土地を持つ人、空き家管理に悩む人、自然農法に興味がある人にとって、このブログが何かのヒントになれば嬉しいです。
次回予告
次回は、「畑の実測と区画設計」をレポートする予定です。
100坪の土地を、どのように区切り、どう活用していくのか具体的な計画を立てます。
また、最大の課題であるツタの根・地下茎の処理にも取り掛かります。
このプロジェクトは、今日、2026年2月2日から始まりました。
一年後、この畑はどうなっているでしょうか。野菜は育っているでしょうか。
断念しているのでしょうか。
それは、まだ誰にもわかりません。
ただ、一つ確かなことがあります。
この挑戦は、きっと面白い。
次回更新:3月上旬予定
【関連記事】
- 第2回:畑の実測と区画設計編、床の改修工事(準備中)
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