2月下旬から10日間、瀬戸内海の島へ行ってきました。前回の記事で予告した通り、畑の実測と区画設計、そして土づくりを進めるつもりでした。
結果から言うと、畑に使えた時間は実質1日でした。
床改修工事、一部完成
島に着き、父の実家で準備を整えて、翌日から床改修工事が始まりました。前回の滞在中に手配しておいたもので、今回の日程に合わせて作業日を組んでもらっていました。
築50年以上の建物で、畳の間の床板を剥がしてみると、根太の下の土台部分がかなり傷んでいました。プロの大工さんに依頼して、土台から全面的にやり替えることにしていたのです。

床板を剥がした状態は、なかなかの光景でした。土台の木材が露出し、コンクリートの地面がむき出しになっています。大工さんは手慣れた様子で作業を進めていきましたが、私のほうはその傍らで家具の移動や古い床材の片付けを延々とやっていました。


新しい根太を組み、断熱材(ミラフォームM)を敷き、コンパネを貼る。一つ一つの工程を見ながら、材料の搬入や雑用を手伝います。

そして床板を張ると、見違えるように変わりました。

明るい木目のフローリングが、古い和室に入っています。工事そのものは大工さんがやってくれるので成果は出るのですが、問題はその「付帯作業」です。古い床材の処分、工事前の家具の移動、工事後の清掃と残材の整理。これだけで丸1日が消えました。
さらに、作業中にガラス障子を倒して割ってしまうという失敗もありました。昔ながらの模様ガラスで、今では入手困難なものです。応急処置としてポリカーボネート板を貼り付けましたが、元には戻りません。古い家での作業は、こういった想定外が続きます。
畑の実測:中段4m×4m、上段4m×18m
工事の合間を縫って、畑の実測を行いました。

家のすぐ上にある中段の畑は、実測すると4m×4m(約5坪)でした。前回「6坪程度」と見積もっていたので、少し小さめです。その上にある上段の畑は全体で約80坪あります。草は刈ってありますが、まだ耕していない状態です。土を見ると以前は畑として使われていた形跡があり、耕作すればすぐに使えそうな部分が4m×18m(約22坪)ほどありそうです。残りの約58坪は、もう少し整備が必要な状態です。

今回は時間がなく、中段の4m×4mのみに集中することにしました。
土壌pH測定:6.5

結果はpH6.5でした。野菜栽培に最適とされるpH6.0〜6.5の範囲に収まっています。10年ほど放置されていたにもかかわらず、土壌は良好な状態を保っていました。石灰を撒いてpH調整する必要はなさそうです。
使用したのはシンワの土壌測定器(品番72730)です。土に刺すだけでpH・照度・水分を測定できるタイプで、価格も手頃です。本格的な農業用ではありませんが、家庭菜園レベルの確認には十分だと思っています。
初めての畝づくり:鍬とスコップ
4m×4mのスペースに、2つの畝を作ることにしました。
1つ目の畝は、鍬を使って周りの通路部分を削りながら土を盛り上げていく方法で作りました。掘って、盛って、削って、整えて。汗だくになりながら、なんとか完成しました。
疲れた状態で2つ目に取り掛かりながら、ふと思いました。「スコップで畝の端に切り込みを入れて、通路部分を掘り下げたらどうだろう?」
試してみると、あっさり完成しました。
スコップでザクザクと掘り、土を横に盛るだけ。1つ目の苦労は何だったのかという話です。「畑仕事=鍬」という思い込みで取り掛かっていたのですが、初心者はこういう発見の連続です。経験者にとっては当たり前のことでも、初めてやる側には試行錯誤が必要です。
今回使ったのは、ホームセンターで買った普通の鍬とスコップです。鍬は畝の表面を整えるのに向いていますが、通路を掘り下げる作業はスコップのほうがずっと楽でした。農具は用途によって使い分けるものだということを、体で覚えました。
テングサと米ぬかを投入

畝が完成したところで、肥料を投入しました。小屋を片付けていると、ビニール袋に入った乾燥テングサが出てきました。母がトコロテンを作っていたものでしょう。テングサは海藻の一種でミネラルが豊富です。瀬戸内海の島らしい資材でもあります。値段を調べると50gで1,000円ほどするとのことで、なかなかの贅沢品でした。
これに米ぬかを混ぜて畝に撒きました。本来は撒いてから数日置いて土になじませるべきでしたが、他の作業に追われ続けて帰宅当日になってしまいました。

帰宅する日の朝、植え付け

帰宅する日の朝、ギリギリの時間で植え付けを行いました。1畝目には種イモを8個植え付けました。品種は地元のホームセンターで購入した一般的なものです。間隔を空けて、浅く植える。調べた通りにやってみました。
2畝目の半分には、ニンジンの種を蒔きました。ニンジンは発芽が難しいと聞いていたので、少し心配です。

これが今回の畑仕事の全容です。広い面積を耕し、もっと多くの野菜を植えたかったのですが、時間が足りませんでした。
遺品整理とゴミ処分の現実
畑以外に、遺品整理とゴミ処分が大量にありました。
4年間放置されていた家には、亡くなった父の遺品と、衣装持ちである母のものがそのまま残っていました。今回は洋服の断捨離に取り掛かりました。クローゼット、タンス、押し入れ。あらゆる場所から洋服が出てきます。一枚一枚確認して、分別して、袋に詰めていくと、特大ごみ袋10個以上になりました。
これを地元のごみステーションに指定ごみ袋で出したところ、翌日「量が多いため引き取れません」と残されていました。調べると、大量のごみは産業廃棄物処分場に自分で持ち込む必要があることがわかりました。通常のごみステーションでは対応していないのです。
仕方なく、古い家具や家電も一緒に処分することにしました。片道20kmのレンタル会社で軽トラックを借り、片道20kmの産廃処分場まで3往復しました。1往復目に洋服(特大ごみ袋10個以上)、2往復目に畳と布団、3往復目に古い家具と残りの粗大ごみを運びました。その後、冷蔵庫1台・洗濯機1台・テレビ2台を家電リサイクル法に基づいて処分しました。
レンタル会社の往復と産廃処分場への往復3回で総距離160km。朝借りて夕方7時返却。丸1日がこれで終わりました。費用は軽トラレンタル6,600円(12時間)、ガソリン代1,237円、産廃処分費用7,040円、家電リサイクル料金22,130円です。
田舎のごみのルールは、事前に調べておいても実際には「その場で学ぶ」部分が多くあります。今後も同様のことが出てくると思いますが、それも含めて作業の一部です。
10日間を振り返って
今回の10日間の内訳を振り返ると、床改修工事の立ち会いと片付けに4日、遺品整理に7日(並行作業のため延べ日数)、ゴミ処分に1日、その他の雑務に4日、畑仕事に1日という配分でした。
250kmを移動してきて、畑に使えたのが実質1日です。
250km離れた土地で畑を始めるということは、空き家管理を同時に行うということでもあります。家の改修、遺品整理、ゴミ処分。これらは避けて通れません。「畑だけやりたい」と思っても、現実には家の管理が先に立ちます。
次回の滞在(3月下旬予定)では、ジャガイモとニンジンの発芽確認、2畝目の残り半分への植え付け、上段の畑の整備開始、井戸ポンプの修理見積もり、イノシシ対策の検討を目標にしています。ただし今回の経験から、「畑だけ」に集中できるとは考えていません。遺品整理も家の改修も、まだまだ続きます。
それでも、少しずつ前に進んでいきます。
ではまた。
