2月下旬、10日間の滞在
2月下旬から瀬戸内海の島へ10日間の滞在をしました。
前回の記事で宣言した通り、畑の実測と区画設計、そして土づくりを進める予定でした。しかし、現実はそう甘くありませんでした。
今回の滞在で学んだこと。それは、「畑だけ」に集中できる状況など、存在しないということです。
床の改修工事、一部完成
まず、宿泊施設(父の実家)の床改修工事が完了しました。
工事前の状態


10年以上放置されていた畳の間。床板を剥がすと、根太の下の土台部分がかなり傷んでいました。プロの大工さんに依頼して、土台から全面的にやり替えてもらいました。
工事後



新しい床材が搬入され、根太を組み、断熱材(ミラフォーム)を敷き、コンパネを貼り、床板を張る。和室の一部ですが、見違えるように生まれ変わりました。
明るい木目のフローリングが、古い家に新しい息吹を吹き込んでくれた気がします。
ただし、この工事に伴う片付けや付帯作業が、想像以上に時間を奪うことになるとは、この時点では思っていませんでした。
畑の実測:中段4m×4m、上段4m×18m
工事の合間を縫って、畑の実測を行いました。
中段の畑:4m × 4m(約5坪)
家のすぐ上にある中段の畑。実測してみると、4m × 4m = 16㎡(約5坪)でした。
当初「6坪程度」と見積もっていましたが、やや小さめ。それでも、初心者が手始めに挑戦するには十分な広さです。
上段の畑:80坪(耕作可能部分は4m × 18m)
中段の上にある上段の畑。ここは全体で約80坪あります。

草は刈ってありますが、まだ耕していない状態です。ただし、土を見ると以前は畑として使われていた形跡があり、耕作すればすぐに使える部分が4m × 18m(約22坪)ありそうです。
残りの約58坪は、もう少し整備が必要な状態です。
ただし、今回は時間がなく、中段の畑のみに集中することにしました。
土壌pH測定:6.5(ほぼ理想値)
畑仕事を始める前に、土壌測定器でpH値を測定しました。

結果は、pH 6.5。
野菜栽培に最適とされるpH 6.0-6.5の範囲に収まっています。10年放置されていたにもかかわらず、土壌は良好な状態を保っていました。これは幸先の良いスタートです。
石灰を撒いてpH調整する必要はなさそうです。
初めての畝づくり:失敗と発見
さて、いよいよ畑仕事です。
中段の4m × 4mのスペースに、2つの畝を作ることにしました。


1つ目の畝:苦労の連続
鍬を使って、周りの通路部分を削りながら土を盛り上げていきます。
掘って、盛って、削って、整えて……。
汗だくになりながら、なんとか1つ目の畝が完成。
「畝づくりって、こんなに大変なのか……」
2つ目の畝:まさかの発見
疲れた体を引きずりながら、2つ目の畝に取り掛かります。
ふと思いつきました。
「スコップで畝の端に切り込みを入れて、掘り下げて通路を作ったらどうだろう?」
試してみると……
めちゃくちゃ簡単に畝が完成しました。
スコップでザクザクと掘り、土を横に盛る。これだけ。1つ目の苦労は何だったのか(笑)。
畑仕事=鍬という概念。 やはり初心者ですね(笑)。
経験者にとっては当たり前のことでも、初心者には「発見」です。こうして一つ一つ学んでいくしかありません。
テングサと米ぬかを投入
畝が完成したところで、肥料を投入します。
小屋を片付けていたら、ビニール袋に入った乾燥したテングサが出てきました。母がトコロテンを作っていたのでしょう。


瀬戸内海の島ならではの資源です。テングサは海藻の一種で、ミネラルが豊富。自然農法的な肥料として最適です。
これに米ぬかを混ぜて、畑に撒きました。テングサの値段を調べると50g1000円でした。贅沢な肥料です。(笑)
本当は、撒いてから時間を置いて土になじませたかったのですが、その他の仕事に追われ、結局帰宅当日になってしまいました。
初植え付け:ジャガイモとニンジン
帰宅する日の朝、ギリギリの時間で植え付けを行いました。
1畝目:ジャガイモ

種イモを8個植え付けました。品種は地元のホームセンターで購入した一般的なもの。
間隔を空けて、浅く植える。初心者なりに調べた通りにやってみました。
2畝目の半分:ニンジン
もう1つの畝の半分に、ニンジンの種を蒔きました。
ニンジンは発芽が難しいと聞いていたので、少し不安です。
畑仕事としては、これが精一杯でした。
本当は、もっと広い面積を耕し、もっと多くの野菜を植えたかった。しかし、現実には時間が足りませんでした。
畑をする時間がなかった理由
では、なぜ時間が足りなかったのか。
それは、畑以外の仕事が山積みだったからです。
床改修工事に伴う片付け
大工さんに工事はやってもらいましたが、それに伴う片付けや付帯作業は自分たちでやる必要があります。
- 古い床材の処分
- 工事前の家具の移動
- 工事後の清掃
- 残材の整理
これだけで丸1日が消えました。
そして、ここでもう一つ失敗をやらかしました。
作業中、うっかりガラス障子を倒してしまったのです。
ガシャーン!
割れたのは、昔ながらの模様ガラス。今では入手困難な、味のあるガラスでした。

慌てて破片を片付け、応急処置としてポリカーボネート板を貼り付けました。写真の中心右側、他のガラス障子と質感が違う部分がそれです。
古い家での作業は、こういった「想定外」が次々と起こります。気をつけているつもりでも、慣れない作業では失敗がつきものです。
模様ガラスは二度と戻りませんが、これも経験。次回からは、障子の扱いにもっと注意します。
親の遺品整理:洋服の断捨離
10年放置されていた家の中には、亡くなった父の遺品と衣装持ちである母のものがそのまま残っていました。
今回は、洋服の断捨離に取り掛かりました。
特大ごみ袋10個以上。
クローゼット、タンス、押し入れ。あらゆる場所から洋服が出てきます。
一枚一枚確認して、分別して、袋に詰める。これが想像以上に重労働でした。
ゴミ処分の壁:田舎のルール
さあ、袋に詰めた洋服を処分しよう。
地元のごみステーションに、指定ごみ袋に入れて出しました。
しかし、翌日……
「量が多いため、引き取れません」
と、ごみが残されていました。
通常のごみステーションでは、大量のごみは受け付けてくれませんでした。
「では、どうすればいいのか?」
調べると、産業廃棄物処分場に自分で持ち込む必要がありました。
やはり、田舎の自治体はルールが曖昧ですね。
郷に入れば郷に従え、です。
軽トラックをレンタルして、1日で処分完了
仕方がないので、古い家具や家電も一緒に処分することにしました。
片道20kmのレンタル会社まで行き、朝一番で軽トラックを借りました。
そして、片道20kmの産廃処分場まで、3往復。
- 1往復目:洋服(特大ごみ袋10個以上)
- 2往復目:畳・布団
- 3往復目:古い家具(タンス、テーブルなど)残りの粗大ごみ
産廃処分場での作業を終えた後、レンタカーを返却する前に、もう一つやるべきことがありました。
家電リサイクル処分です。
- 大型冷蔵庫:1台
- 洗濯機:1台
- テレビ:2台
これらを家電リサイクル法に基づいてレンタカー会社近くの電気店で処分しました。
総距離:160km
レンタル会社往復(40km)+ 産廃処分場往復×3(120km)= 160km
朝借りて、夕方7時返却。丸1日が、この作業で消えました。
軽トラレンタル費用:6600円/12時間 ガソリン代:1237円
産廃処分費用:7040円
家電リサイクル料金:22130円
10日間の滞在を振り返って
今回の滞在を振り返ると、以下のような配分でした。
- 床改修工事の立ち会いと片付け:4日
- 遺品整理(妻が担当、主に洋服の断捨離):7日間
- ゴミ処分(軽トラレンタル・産廃処分場・家電リサイクル):1日
- その他(買い物、掃除、雑務):4日
- 畑仕事:1日
※作業は並行して進めたため、合計日数は延べ日数です。
畑に使えた時間は、実質1日。
これが現実です。
学んだこと
1. 畑だけに集中できる状況など、存在しない
250km離れた土地で畑を始めるということは、空き家管理も同時に行うということです。
- 家の改修
- 遺品整理
- ゴミ処分
- 日常的な掃除
これらは避けて通れません。
「畑だけやりたい」と思っても、現実には家の管理が優先されます。
2. 初心者は何をするにも時間がかかる
畝づくり一つとっても、初心者には試行錯誤が必要です。
経験者なら10分で終わることが、初心者には1時間かかる。
それでも、失敗しながら学んでいくしかありません。
3. 田舎のルールは、その場で学ぶ
ゴミの処分方法、地域の慣習、近所との付き合い方。
都会とは違うルールがたくさんあります。
「こんなはずじゃなかった」と思うこともありますが、それも含めて田舎暮らしです。
次回の予定
次回の滞在(3月下旬予定)では、以下を目標にします。
- ジャガイモとニンジンの発芽確認
- 2畝目の残り半分に何か植える(レタス?小松菜?)
- 上段の畑の一部を耕し始める
- 井戸ポンプの修理見積もり
- イノシシ対策の検討
ただし、今回の経験から、「畑だけ」に集中できるとは思っていません。
遺品整理はまだ続きます。家の改修も、まだまだやることがあります。
それでも、少しずつ前に進んでいきます。
このプロジェクトは、決して順調ではありません。
むしろ、毎回何かしらの「想定外」が起こります。
ドキュメンタリーとは、そういうものですね。
次回更新:4月中旬予定
【関連記事】
- 第1回:プロジェクト始動編
- 第3回:発芽と成長の記録(準備中)


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