はじめに
昨夜は、道の駅 温泉の里神山で車中泊しました。ありがとうございました。本日の第9番から第17番札所までの区間では、効率的な巡礼のため、温泉の里神山をスタートして、12番→11番→10番→9番→13番→14番→15番→16番→17番の順序で参拝しました。一部逆打ちを含むルートで、車での移動を前提とした巡礼です。
第十二番札所 焼山寺(しょうざんじ)



基本情報
- 寺院名: 焼山寺(しょうざんじ)
- 宗派: 高野山真言宗
- 御本尊: 虚空蔵菩薩
- 御真言: のうぼう あきゃしゃ きゃらばや おん ありきゃ まり ぼり そわか
- 住所: 名西郡神山町下分地中318
- 電話番号: 088-677-0112
- 標高: 約700m
- 宿坊: あり(30人、要予約)
参拝体験
標高700mの山頂近くに位置する焼山寺は、四国霊場で2番目に高い山岳札所。お遍路最初の難所として知られています。車でのアクセスでも山道は険しく、到着した時には既に達成感を味わいました。
境内からの眺望は素晴らしく、徳島の山々が一望できます。虚空蔵菩薩に向かい、御真言「のうぼう あきゃしゃ きゃらばや おん ありきゃ まり ぼり そわか」を唱えながら、智慧と記憶力の向上を祈願しました。山の冷気で心が引き締まる思いでした。
本堂までの石段は急勾配で、足腰に自信のない方は要注意です。納経所では「よくここまで来られましたね」と温かい言葉をかけていただき、遍路の大変さと達成感を改めて実感しました。
第十一番札所 藤井寺(ふじいでら)



基本情報
- 寺院名: 藤井寺(ふじいでら)
- 宗派: 臨済宗妙心寺派
- 御本尊: 薬師如来
- 御真言: おん ころころ せんだり まとうぎ そわか
- 住所: 吉野川市鴨島町飯尾1525
- 電話番号: 0883-24-2384
- 標高: 約45m
- 宿坊: なし
参拝体験
焼山寺から車で1時間(徒歩約8時間)藤井寺の平坦な境内にほっとしました。こちらのお寺は臨済宗で、他の真言宗のお寺とは少し雰囲気が異なります。
境内の庭園に、藤の古木があり、4月下旬から5月上旬にかけ5色の藤が咲き誇るとのこと。また、本堂の雲龍の天井画は、30畳ほどの巨龍で圧巻です。薬師如来への参拝では、御真言「おん ころころ せんだり まとうぎ そわか」を唱えながら、家族の健康と自身の巡礼の安全を願いました。
お寺の方が親切で、次の札所への道順も丁寧に教えてくださいました。ここから焼山寺までは歩き遍路の方にとって最大の難所。車で来た身としては、歩きお遍路さんの苦労を思いながら感謝の気持ちでお参りしました。
第十番札所 切幡寺(きりはたじ)


基本情報
- 寺院名: 切幡寺(きりはたじ)
- 宗派: 高野山真言宗
- 御本尊: 千手観音菩薩
- 御真言: おん ばざら たらま きりく そわか
- 住所: 阿波市市場町切幡観音129
- 電話番号: 0883-36-3010
- 標高: 約155m
- 宿坊: なし
参拝体験
藤井寺から車で約35分(徒歩約2時間20分)で切幡寺に到着。山の中腹にあり、駐車場から本堂まで333段の石段を登ります。途中で振り返ると、吉野川が美しく見えて思わず足を止めました。
千手観音菩薩の大きな像が印象的で、慈悲深い表情に心が癒されます。御真言「おん ばざら たらま きりく そわか」を唱えながら、観音様の慈悲にすがる思いで参拝しました。
お寺の歴史も古く、弘法大師が修行されたという伝説もあります。本堂での読経中、鳥のさえずりが聞こえて自然との一体感を感じました。納経所で御朱印をいただく際、住職さんから「千の手で皆様をお救いくださいますように」という言葉をいただき、観音様の慈悲を実感しました。
第九番札所 法輪寺(ほうりんじ)



基本情報
- 寺院名: 法輪寺(ほうりんじ)
- 宗派: 高野山真言宗
- 御本尊: 涅槃釈迦如来
- 御真言: のうまく さんまんだ ぼだなん ばく
- 住所: 阿波市土成町土成字田中198-2
- 電話番号: 088-695-2080
- 標高: 約31m
- 宿坊: なし
参拝体験
切幡寺から車で約15分(徒歩約1時間)で到着。法輪寺は比較的平坦な場所にあり、アクセスも良好です。涅槃釈迦如来という珍しい御本尊で、お釈迦様が横になって涅槃に入る姿を表現しています。
境内は整備が行き届いており、清々しい気持ちでお参りできました。御真言「のうまく さんまんだ ぼだなん ばく」を唱えながら、釈迦如来の教えに思いを馳せました。
特に印象的だったのは、地元の方々が境内の掃除をされている姿。お寺を大切にする地域の温かさを感じました。ここまでで逆打ち区間が終了。9番から13番へと正規のルートに戻ります。なんだか気持ちが切り替わるような不思議な感覚でした。
第十三番札所 大日寺(だいにちじ)


基本情報
- 寺院名: 大日寺(だいにちじ)
- 宗派: 真言宗大覚寺派
- 御本尊: 十一面観音菩薩
- 御真言: おん まか きゃろにきゃ そわか
- 住所: 徳島市一宮町西丁263
- 電話番号: 088-644-0069
- 標高: 約33m
- 宿坊: あり(150人)
参拝体験
法輪寺から車で約40分(徒歩約4時間30分)徳島市内にある大日寺は、都市部にありながら静寂な雰囲気を保っています。十一面観音菩薩が御本尊で、十一の顔で様々な角度から衆生(しゅじょう)を見守ってくださるとされています。
境内には立派な本堂と大師堂があり、多くの参拝者が訪れていました。御真言「おん まか きゃろにきゃ そわか」を唱えながら、観音様の慈悲を感じました。
都市部のお寺らしく、アクセスは良好で駐車場も完備されています。お参りしやすい環境が整っているのがありがたいです。納経所では、これまでの巡礼について住職さんと少しお話しすることができ、「順打ちと逆打ちを体験されて良い巡礼ですね」と励ましの言葉をいただきました。
第十四番札所 常楽寺(じょうらくじ)



基本情報
- 寺院名: 常楽寺(じょうらくじ)
- 宗派: 高野山真言宗
- 御本尊: 弥勒菩薩
- 御真言: おん まいたれいや そわか
- 住所: 徳島市国府町延命606
- 電話番号: 088-642-0471
- 標高: 約27m
- 宿坊: なし
参拝体験
大日寺から車で約10分(徒歩約40分)常楽寺の弥勒菩薩は「未来仏」として親しまれており、希望と慈悲の象徴です。境内に入ると、どこか明るい雰囲気に包まれているように感じました。
本堂は重厚な造りで、歴史の重みを感じさせます。御真言「おん まいたれいや そわか」を唱えながら、弥勒菩薩への祈願では、未来への希望と、これからの人生の指針を求めました。
大師堂では、弘法大師への感謝とともに、巡礼の継続を誓いました。境内で出会った他のお遍路さんと情報交換。同じルートを辿っている方もいて、共通の体験を分かち合うことができました。お遍路の醍醐味の一つですね。
第十五番札所 国分寺(こくぶんじ)


基本情報
- 寺院名: 国分寺(こくぶんじ)
- 宗派: 曹洞宗
- 御本尊: 薬師如来
- 御真言: おん ころころ せんだり まとうぎ そわか
- 住所: 徳島市国府町矢野718-1
- 電話番号: 088-642-0023
- 標高: 約14m
- 宿坊: なし
参拝体験(感動体験)
常楽寺から国分寺まで車で約5分(徒歩約10分)で到着。
忘れられない瞬間
第15番札所国分寺での参拝中、今回のお遍路旅で最も印象深い、そして神秘的な体験をしました。それは自然現象を超えた、何か深い意味を持つ出来事だったと思います。
光の導き
国分寺での参拝を終え、本堂の軒下からふと空を見上げると、雲間から神々しい光の筋が差し込んでいました。それはただの太陽光ではなく、特別な光でした。
その光の中に、うっすらと虹色の輝きが見えたとき、これまでの巡礼で様々な美しい光景を目にしてきましたが、これほど心を打つ光は初めてでした。空、雲、光、すべてが1つになって織りなす調和。自然の中に宿る神秘的な力を肌で感じました。
虹色に輝く龍神の出現
そして次の瞬間、空に信じられない光景が現れました。雲が龍の形を描き、虹色に輝いているのです。まさに龍神が現れたしか思えない、神秘的で荘厳な光景でした。わずか1分足らずの出来事でした。
龍神は古来より水を司り、人々の願いを天に届ける存在として崇められています。その龍神が、虹の七色に輝きながら雲間を舞う姿は、まるで私たちの巡礼を見守り、祝福しているかのようでした。
国分寺という特別な場所で
第15番札所阿波国分寺は、奈良時代に聖武天皇の勅願により建立された歴史ある寺院です。千年以上もの間、多くの人々の信仰を集めてきたこの神聖な場所で、このような奇跡的な体験をしたことに、深い意味を感じずにはいられません。
私は龍雲をよく見るのですが、この度のような優しい表情で虹色に輝く荘厳な龍神を見るのは初めてでした。お遍路旅の最中、国分寺という特別な場所で参拝を終えた直後の出来事だったので、より一層、神々しく神秘的に感じられたのかもしれません。
幸運なことに、この貴重な瞬間を写真に収めることができました。しかし、残念ながら最後の写真を撮った途端、すぐに消えてしまいました。前述した通り、虹に気が付いて、わずか1分ほどでした。
山門での写真は参拝前に撮ったものですが、山門から本堂に向かって2本の光線があり、この時から何かお導きがあったのかもしれません。


写真を見返すたびに、あの時の感動がよみがえります。カメラが捉えたこの光景は、単なる偶然ではなく、お遍路という聖なる旅路だからこそ出会えた、特別な贈り物だったのだと今でも思っています。
この神秘的な体験が、これからお遍路を歩まれる方々にとっても、勇気と希望の光となりますように。
第十六番札所 観音寺(かんおんじ)



基本情報
- 寺院名: 観音寺(かんおんじ)
- 宗派: 高野山真言宗
- 御本尊: 千手観音菩薩
- 御真言: おん ばざら たらま きりく そわか
- 住所: 徳島市国府町観音寺49-2
- 電話番号: 088-642-2375
- 標高: 約8m
- 宿坊: なし
参拝体験
15番国分寺での感動体験から観音寺までは、車で約10分(徒歩約25分)連続してお参りできる立地です。千手観音菩薩の慈悲深い表情に、今日一日の疲れが癒されました。
境内は手入れが行き届いており、地域の方々に愛されているお寺であることが伝わってきます。御真言「おん ばざら たらま きりく そわか」を唱えながら、観音様の慈悲を感じました。
本堂での読経中、風で揺れる木々の音が心地よく響きました。観音様への祈願では、家族の平安と、これまでの巡礼で出会った全ての方々の幸せを願いました。千の手で全ての人を救ってくださる観音様の懐の深さを感じた瞬間でした。
第十七番札所 井戸寺(いどじ)


基本情報
- 寺院名: 井戸寺(いどじ)
- 宗派: 真言宗善通寺派
- 御本尊: 七仏薬師如来
- 御真言: おん ころころ せんだり まとうぎ そわか
- 住所: 徳島市国府町井戸北屋敷80-1
- 電話番号: 088-642-1324
- 標高: 約7m
- 宿坊: なし
参拝体験
本日最後は、観音寺から車で約20分(徒歩約50分)の井戸寺です。井戸寺の名前の由来となった「面影の井戸」が境内にあります。弘法大師がこの井戸を掘られたという伝説があり、井戸の水面に自分の姿が映れば無病息災、映らなかったら3年以内に厄災に注意するという言い伝えがあります。怖いですね。(;^_^A
七仏薬師如来という珍しい御本尊で、七体の薬師如来が病気平癒を願う人々を守ってくださいます。御真言「おん ころころ せんだり まとうぎ そわか」を唱えながら、本堂での祈願では、心身の健康とともに、これからの巡礼の安全を願いました。
この日の最後のお寺となった井戸寺。夕方の境内は静寂に包まれ、一日の巡礼を振り返る良い時間となりました。明日への活力をいただいた気持ちです。
一日の振り返り
第12番から第17番札所まで、一部逆打ちを含むルートでの巡礼を体験しました。逆打ちから順打ちに戻る過程で、異なる視点からお遍路を見ることができました。
標高700mの焼山寺では、車でのアクセスでも難所の厳しさを実感し、歩き遍路の方々への敬意を新たにしました。各札所で出会った住職さんや地元の方々の温かい言葉に支えられ、巡礼の意味を深く考える機会となりました。
真言宗、臨済宗、曹洞宗と異なる宗派のお寺を参拝することで、それぞれの特色ある雰囲気を感じることができたのも大きな収穫でした。どの宗派のお寺でも、温かく迎えていただけるのがお遍路の素晴らしさだと実感しました。
第15番札所国分寺で体験したことは、一生忘れることのできない宝物です。お遍路という聖なる道だからこそ出会えた、特別な瞬間でした。
この体験を通して、目に見えない大きな力に支えられていることを実感し、「困難な道のりも、信念を持って歩み続ければ、必ず導きがある」 「一人ではない、常に見守られている」 日々の生活の中でも感謝の気持ちを大切にしていこうと決意を新たにしました。
龍神様、弘法大師様のご加護に心から感謝いたします。
南無大師遍照金剛
明日は第18番恩山寺から巡礼を続ける予定です。「同行二人」の精神で、弘法大師と共に歩み続けたいと思います。
巡礼ルートマップ
Google Mapで道の駅温泉の里神山から第9番〜第17番札所巡礼ルートを確認
🗺️ 道の駅温泉の里神山スタート 第9番〜第17番札所巡礼ルートを見る
ルート情報(12→11→10→9→13→14→15→16→17番の順序)
- 総移動距離: 約100km
- 所要時間: 車で約3時間、参拝時間含めて6-8時間
- 推奨移動手段: 自家用車またはレンタカー
- 特記事項: 12番焼山寺は山道が険しいため運転注意
実用情報
アクセス
- 第12番焼山寺: 徳島自動車道「脇町IC」から約40分(山道に注意)
- 第13番〜第17番: 徳島市内および近郊(各寺院に駐車場完備)
- 各札所間: 車での移動が便利、13-17番は比較的近距離
参拝時間
- 一般的に6:00〜17:00(季節により変動あり)
- 納経受付は7:00〜17:00
必需品
- 白衣、金剛杖、納経帳、線香、ろうそく
- 車での移動時は小銭(駐車場用)
- 焼山寺参拝時は防寒着(標高が高いため)
巡礼のマナー
- 本堂、大師堂では帽子を脱いで参拝
- 写真撮影は控えめに
- 地元の方々への感謝を忘れずに
- 逆打ち区間では他の参拝者への配慮も大切に
次回は第18番恩山寺から第23番薬王寺まで、阿波国最後の区間の体験をお届けする予定です。南無大師遍照金剛。
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