はじめに
四国八十八箇所の巡礼を、ハイエースでまわることにしました。前夜は道の駅第九の里で車中泊。鳴門市ドイツ館に隣接したこの道の駅は、翌朝の出発もしやすく、お遍路のスタート地点としてちょうどいい場所です。今回は阿波国(徳島県)の「発心の道」と呼ばれる第1番から第8番札所まで、一日でまわった記録をお届けします。
道の駅第九の里に隣接している鳴門市ドイツ館


第一番札所 霊山寺(りょうぜんじ)




基本情報
- 寺院名: 霊山寺(りょうぜんじ)
- 宗派: 高野山真言宗
- 御本尊: 釈迦如来
- 御真言: のうまく さんまんだ ぼだなん ばく
- 住所: 鳴門市大麻町板東126
- 電話番号: 088-689-1111
- 標高: 約21m
- 宿坊:なし
参拝体験
お遍路の出発点、霊山寺です。境内には遍路用品を扱う売店があり、白衣・金剛杖・納経帳・輪袈裟など一式ここで揃えることができます。ここで準備を整えてそのまま出発するお遍路さんが多く、売店はなかなかの活気です。
本堂では釈迦如来に御真言「のうまく さんまんだ ぼだなん ばく」を唱え、大師堂へ。金剛杖には「同行二人」と記されており、弘法大師と共に歩むという意味が込められています。車でまわっていても、この考え方は変わりません。
詳しくはこちらへ 四国お遍路体験記:初心者が学んだ服装・作法・心構え
第二番札所 極楽寺(ごくらくじ)



基本情報
- 寺院名: 極楽寺(ごくらくじ)
- 宗派: 高野山真言宗
- 御本尊: 阿弥陀如来
- 御真言: おん あみりた ていせい からうん
- 住所: 鳴門市大麻町檜段の上12
- 電話番号: 088-689-1112
- 標高: 約10m
- 宿坊:あり(要予約)
参拝体験
霊山寺から車で約3分(徒歩約20分)の極楽寺に到着。安産の御利益で知られる寺院で、手水の脇に立つ願掛け地蔵は、御真言「おん あみりた ていせい からうん」を唱えながら自分も努力すると誓うと願いが叶うと伝えられています。
境内で目を引くのが、弘法大師お手植えとされる長命杉です。幹の太さがかなりのもので、触れると長命が叶うと言われています。参拝者の多くが手を触れていくので、その部分だけ幹の色が変わっています。納経所で二つ目の御朱印を拝受しました。
第三番札所 金泉寺(こんせんじ)


基本情報
- 寺院名: 金泉寺(こんせんじ)
- 宗派: 高野山真言宗
- 御本尊: 釈迦如来
- 御真言: のうまく さんまんだ ぼだなん ばく
- 住所: 板野町大寺66
- 電話番号: 088-672-1087
- 標高: 約24m
- 宿坊:なし
参拝体験
極楽寺から車で約5分(徒歩約40分)、金泉寺へ。
寺名の由来にもなった「黄金の井戸」が境内にあります。弘法大師が掘ったと伝えられており、水面に自分の姿が映ると長生きできるとのことで、覗き込んでみました。顔はなんとか映りました。
本堂左手の護摩堂には花鳥を描いた格天井があり、細工が見事です。西庭には「弁慶の力石」と呼ばれる石が鎮座しており、「新平家物語」にも登場するとのこと。境内はコンパクトにまとまっており、見どころを順に確認しながらまわれます。
第四番札所 大日寺(だいにちじ)



基本情報
- 寺院名: 大日寺(だいにちじ)
- 宗派: 東寺真言宗
- 御本尊: 大日如来
- 御真言: おん あびらうんけん ばざらだとばん
- 住所: 板野町黒谷居内5
- 電話番号: 088-672-1225
- 標高: 約75m
- 宿坊:なし
参拝体験
金泉寺から車で約10分(徒歩約1時間30分)で大日寺に到着。こちらは高野山真言宗ではなく東寺真言宗の寺院で、御本尊は宇宙の根本仏とされる大日如来です。
境内で印象に残るのは、本堂と大師堂をつなぐ回廊に並ぶ西国三十三観音の木造仏像群です。一体ごとに彫り方が異なっており、表情や細部の違いを確認しながら歩いていると、思った以上に時間が経ちます。屋根付きの回廊なので、雨の日でもゆっくり見てまわれます。
第五番札所 地蔵寺(じぞうじ)



基本情報
- 寺院名: 地蔵寺(じぞうじ)
- 宗派: 真言宗御室派
- 御本尊: 勝軍地蔵菩薩
- 御真言: おん かかかび さんまえい そわか
- 住所: 板野町羅漢林東5
- 電話番号: 088-672-4111
- 標高: 約62m
- 宿坊:なし
参拝体験
大日寺から車で約5分(徒歩約20分)と短い移動で地蔵寺に到着。真言宗御室派の寺院で、御本尊は勝軍地蔵菩薩です。
山門から入って正面方丈入り口の左側に水琴窟があります。近づくと澄んだ音が響いており、気づかずに通り過ぎてしまいそうになります。
本堂から徒歩5分ほどのところに五百羅漢の石像群があります(拝観料300円)。一体ごとに表情が異なり、笑っているもの・眠っているもの・怒っているものと様々です。全部を丁寧に見ていくとかなりの時間がかかるので、余裕をもって訪れた方がいいと思います。
第六番札所 安楽寺(あんらくじ)



基本情報
- 寺院名: 安楽寺(あんらくじ)
- 宗派: 高野山真言宗
- 御本尊: 薬師如来
- 御真言: おん ころころ せんだり まとうぎ そわか
- 住所: 上板町引野8
- 電話番号: 088-694-2046
- 標高: 約36m
- 宿坊:あり(300人・温泉あり)
参拝体験
地蔵寺から車で約15分(徒歩約1時間20分)で安楽寺に到着。薬師如来が御本尊で、病気平癒・健康祈願で参拝する方が多い寺院です。御真言は「おん ころころ せんだり まとうぎ そわか」。
境内には多宝塔があり、内部は極彩色の仏画や彫刻で飾られています。また境内の周囲では八十八ヶ所のお砂踏みができます。
宿坊は400年以上の歴史があり、天然温泉の大浴場を備えています。歩き遍路さんに人気の宿坊のようで、泊まっているお遍路さんを何人か見かけました。車でまわっている身には少し羨ましいような、そうでもないような。
第七番札所 十楽寺(じゅうらくじ)


基本情報
- 寺院名: 十楽寺(じゅうらくじ)
- 宗派: 高野山真言宗
- 御本尊: 阿弥陀如来
- 御真言: おん あみりた ていせい からうん
- 住所: 阿波市土成町高尾法教田58
- 電話番号: 088-695-2150
- 標高: 約42m
- 宿坊:あり(70人・個室)
参拝体験
安楽寺から車で約3分(徒歩約15分)で十楽寺に到着。阿弥陀如来が御本尊で、極楽浄土の十の光明と輝く楽しみから名づけられたと伝えられています。
本堂左前の「治眼疾目救歳地蔵尊」は、眼病への霊験があるとされ、多くのお遍路さんが参詣する場所です。また中門遍照殿には愛染明王が祀られており、良縁・縁切りの両方の願いに応じてくれるとのことで、こちらも参拝者が絶えません。
七つ目の御朱印が納経帳に加わりました。少しずつ埋まっていく納経帳を見ると、自分が確かに前に進んでいるのが実感できます。
第八番札所 熊谷寺(くまだにじ)



基本情報
- 寺院名: 熊谷寺(くまだにじ)
- 宗派: 高野山真言宗
- 御本尊: 千手観音菩薩
- 御真言: おん ばざら たらま きりく
- 住所: 阿波市土成町土成前田185
- 電話番号: 088-695-2065
- 標高: 約57m
- 宿坊:なし
参拝体験
十楽寺から車で約10分(徒歩約1時間)で熊谷寺に到着。千手観音菩薩が御本尊のこちらは、四国霊場のなかでも最大級の仁王門を構えます。仁王門は県の重要文化財に指定されており、境内には多宝塔もそびえています。
仁王門をくぐると多宝塔が正面に入ってきます。この二つの建造物の存在感は、1番から8番のなかでとくに印象に残ります。
御真言「おん ばざら たらま きりく」を唱えながら参拝。今日の最後の札所ということもあり、少し気持ちが落ち着きました。
一日の振り返り
第1番から第8番まで、移動距離は約35kmでした。各寺院に駐車場が整備されており、車でのまわりやすさは申し分ありません。
今日のルートは道の駅第九の里を出発し、1・2・3番と参拝。途中で道の駅いたのに立ち寄り、4・5・6・7・8番と続けました。道の駅どなりにも寄り、そこまでは順調だったのですが、最後に温泉に入りたくなり神山温泉へ。結局、道の駅温泉の里神山で一泊することになりました。
これにより、翌日は9番法輪寺からではなく12番焼山寺からのスタートになります。効率が悪いのはわかっているのですが、温泉に入りたい気持ちには勝てませんでした。(;^_^A
巡礼ルートマップ
Google Mapで第1番〜第8番札所ルートを確認
ルート情報
- 総移動距離: 約35km
- 所要時間: 車で約1時間、徒歩で約6時間(参拝時間除く)
- 推奨移動手段: 自家用車またはレンタカー(徒歩遍路も可能)
実用情報
アクセス
- 第1番霊山寺: 高松自動車道「板野IC」から約10分、JR高徳線「板東駅」から徒歩約10分
- 各札所間: 車での移動が便利(各寺院に駐車場完備)、徒歩遍路の場合は遍路道を利用
参拝時間
- 一般的に6:00〜17:00(季節により変動あり)
- 納経受付は7:00〜17:00
必需品
- 白衣、金剛杖、納経帳、線香、ろうそく
- 車での移動時は小銭(駐車場用)
- 徒歩遍路の場合は歩きやすい靴、雨具、水分補給用の飲み物
巡礼のマナー
- 本堂、大師堂では帽子を脱いで参拝
- 写真撮影は控えめに
- 地元の方々への感謝を忘れずに
次回は順番は変わりますが、第9番法輪寺から第17番井戸寺までの体験をお届けする予定です。
ではまた。
